高野豆腐は余り好きでなかった。ベジタリアンにして2年半ぐらいから、高野豆腐やヒジキ、切干し大根などの乾物の良さを知った。良さだけでなくそれらがとても旨いと思うようになった。肉や魚の濃厚な旨みに慣れていると、これら乾物の淡くて微妙な味を感じるのが難しいと思う。
高野豆腐の戻し方はメーカーによって違うので、パッケージに印刷されているものを参考にする。戻さなくてもいい場合も、もし切るのなら戻さなければ切ることができない。ぼくは最初それで失敗した。割れるというかかける状態になってしまう。
戻した高野豆腐はしっかりと水を切ること。それから好みの大きさに切る。切り方は写真のように縦長が好き。これは雑誌の『男子食堂』を見てまねた。
だし汁はたっぷり用意する。思った以上に汁を吸ってしまう。汁を全部吸ってしまうとパサついた出来上がりになって美味しくない。かんだ時、じゅわーっと汁気が口にひろがるのがいい。だし汁の味付けは、以前は昆布と鰹節で取っていたけど、最近は昆布だけになった。それにしょうゆ、塩、みりん、酒などで好み味にする。砂糖を入れて甘く煮るのも旨い。そのときの気分で砂糖は入れたり、入れなかったり。
だし汁が煮たったら切った高野豆腐を入れて、落としぶたをして20分ぐらい煮る。